ライティングスキルを上げる漢字とひらがなの使い分けのコツ
どんな人に読んでもらう文章なのか?っということにも関わってきますが、あるレベル以上の人が読む専門書などとは大きく性質が違い、一般的にウェブライティングでは知識や年齢層に関わりなく、なるべく広い範囲の人に読んでもらうための文章が多いのではないかと思います。そんな時に読みやすい文章にするための漢字をあえてひらがなにするような使い分けるライティングスキルについて解説していきます。
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編集者が使う、漢字をひらがなに変える「ひらく」とは

「ひらく」とは校正用語で漢字をひらがなにすることです。PCを使用して普通に変換してしまうと、普段使用しない漢字を文章中に入れてしまうことがよくあります。漢字が多すぎる文章は読みにくく固い印象となり、ひらがなが多すぎると逆に幼稚で単語の区切りが視覚的に分かりにくい文章になってしまうことにもなります。時には、なぜこんな単語をひらがなにしているのかな?っと疑問に思ったことが皆さん経験あるんじゃないかと思います。それは編集者が校正の際に、漢字・ひらがな・カタカナの程よいバランスを考えて、リズム感がよく視覚的に読みやすい文章になるように「ひらく」ということをしているからです。
絶対ひらくべき漢字一覧
参考サイト▶▶▶ことばのよろず屋
「副詞」
副詞とは、名詞以外の語句(動詞・形容詞・形容動詞など)を修飾して詳しい意味を添える語です。副詞に続く動詞・形容詞・形容動詞は一般的に漢字で表記されることが多いです。そのため漢字が続くことで文章が固くなりすぎないように、ひらがなに「ひらく」と読みやすくなります。
漢字▶▶▶ひらがなに「ひらく」副詞
| 一層 | いっそう | 既に | すでに | |
| 極めて | きわめて | 是非 | ぜひ | |
| 更に | さらに | 大層 | たいそう | |
| 暫く | しばらく | 大変 | たいへん | |
| 随分 | ずいぶん | 時々 | ときどき など |
ただし、副詞であっても一般的に漢字表記のほうが読みやすい場合があり、例外として漢字表記したほうが読み手に伝わりやすいものを下にあげています。
一段と(いちだんと)
決して~ない(けっして~ない)
少々(しょうしょう)
多分(たぶん)
結構(けっこう)
「接続詞」
接続詞に使用する漢字は人との会話にはあまり使わないものが多いです。漢字にしてしまうと非常に固く、少し古い本や難しい専門書のようなイメージになってしまいます。接続詞は基本的に全てひらがなに変換すると考えた方がいいのではないかと思います。
| 及び | および | 但し | ただし | |
| 並びに | ならびに | 尚 | なお | |
| 従って | したがって | 又は | または など |
「形式名詞」
形式名詞とは実質的な意味をもたず、その節を名詞化するための名詞。ライター界隈では「~する事」を「~すること」とひらくのが一般的とされています。読みにくいという程でもないのですが、その理由が形式名詞だからと考えれば、基本的に全ての形式名詞もひらいて表記するほうが統一感が出ます。
| ~する上で | ~するうえで | ~する時 | ~するとき | |
| ~する事 | ~すること | ~する他 | ~するほか | |
| ~する度 | ~するたび | ~という物 | ~というもの など |
「補助動詞」(動詞の後について補助的な意味を加える語)
| ~して行く | ~していく | ~して頂く | ~していただく | |
| ~して見る | ~してみる | ~して下さい | ~してください | |
| ~して来る | ~してくる | ~して置く | ~しておく など |
「して下さい」⇒「してください」などに関しては、一般的感覚ではむしろ少し違和感を感じるかもしれません。こういった部分には関しては、ルールを明確にするために「副助動詞」はひらがなに統一するっと決めているだけです。様々な人が記事を書くような媒体でバラつきが出ないためのルールですので、個人で書いているブログではここまでルールしなくてもいいと思います。
「連体詞」(名詞を修飾する語)のうち一部
| 所謂 | いわゆる | 様々な | さまざまな | |
| 此の・其の | この・その | 色々な | いろいろな | |
| 色んな | いろんな | など |
※本来の漢字の意味そのままで名詞を修飾する語は、漢字で書く方が一般的です(例 大きな、小さな、単なる、名だたる、主たる、例の、件の、当の、我が、我らが など)
「その他」ひらがなで表記するのが一般的な語
| 有る・無い | ある・ない | 予め | あらかじめ | |
| 致します | いたします | 沢山 | たくさん | |
| 出来る | できる | 一旦 | いったん | |
| 伴い | ともない | 中々 | なかなか | |
| 良い | よい | など |
「副助詞」(語にくっついて意味を添える・限定する語)
| ~位 | ~くらい | ~等 | ~など | |
| ~程 | ~ほど | ~迄 | ~まで |
漢字をあえてひらがなにするのは「ルール」がある

どの【漢字】を【ひらがな】にするかは、出版社やメディアごとにルールがあり、「用字用語集」や「表記ルール」を定めている場合もあります。多くの人が関わり、外部からも記事の寄稿があるメディアでは明確なルールの元に記事が書かれていないと、読者に読みにくさや混乱を招く恐れがあるからです。もしライターとしてメディア記事を書く場合には、クライアント側からレギュレーションの一部としてルール表を提示されることもあります。提示されなかった場合は、「表記の統一について、参考にできる一覧表はありますか?」と尋ねてみたり、いくつかそのメディアの記事を読んでみて雰囲気を合わせるとライターとしての信頼感が増します。
適切な文章になっているか心配なときに役立つのが『記者ハンドブック』です。使用法に迷う用字用語などはほぼ網羅されています。、用字用語事例集のルールに則ってライティングすると、表記のブレがなくなるので気になる方はチェックしてください。
個人ブログの質を上げたいなら、文章の「マイルール」を決めておく

個人ブログや個人メディアにおいても、用字用語の統一は文章の質を向上させて、読者にとっても読みやすい文章にすることができます。個人で電子書籍を執筆したりSNS等で発信する際にも「マイルール」があると自分のブランディングにも役に立ちます。また記事を外注する場合にも修正などを少なくすることができるでしょう。
クライアントワークとしてライティングを受ける場合
ライターとして仕事をする場合には自分はこの漢字はひらがなの方が読みやすいと感じても、漢字にして下さいということや、その逆のケースもたくさん起こります。この場合は当然クライアントの指示を優先すべきで、マニュアルに準じて執筆しましょう。しかし、自分の文章として明確な意図がある場合はクライアントに理由を提案してもいいでしょう。
ブログ内の文章をチェックする方法

Word・ExcelファイルやGoogleドキュメントはもちろんWordPressで作成したウェブページ上でも比較的簡単に表記の統一をチェックすることができます。「ctrl+F」を押すと画面の右上に検索ウィンドウが出てきます。調べたい用語を入力すると、記事内の同一の文字がピックアップされます。この機能は様々なデータ上で使用できますので覚えておいてください。
例1:「致します」を「いたします」に統一する場合、 「致し」や「致します」などと入力してチェックする。
動詞や形容詞など活用形がある単語の場合は、活用しない部分のみを入力して検索するとよいでしょう。
例2:「出来る」を「できる」に統一したい場合
ctrl+Fで検索ウィンドウを開き、「出来」と入力すれば「出来る」「出来ない」「出来ません」「出来なければ」というように一括して検索することができます。これはいくつも入力して経験することでコツを掴めるようになるでしょう。
*ただし、この検索機能は文字として入力している部分のみ検索対象になっています。画像ファイルの中に入れた文字は検索では引っかかりませんので注意してください。
ライティングの際に役立つ便利なサイト
PCで入力していると、簡単に漢字変換されてしまいますので「これは常用漢字だっけ?」というように書いていて混乱することが多々あります。常用漢字とは、「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」なので、自身のブログを書く際にも注意しましょう。
▶▶▶常用漢字チェッカー

データの右の枠に文章や単語を入力して、右チェックボタンを押して下さい。
*テキストファイルやサイトアドレスを入力してチェックすることもできます。

今回は「衿」と「襟」のどちらが常用漢字が確認しました。「襟」のみが中学以降に習う常用漢字という結果が出ました。このサイトはめちゃくちゃ便利なのでブックマークしておくといいです。
文化庁HP内にある常用漢字表も参考になります。
▶▶▶文化庁HPの常用漢字一覧表
ウェブライティングのコツ
ここまでの例は編集者さんの意見を参考にしているので、必ずしもこのとおりにする必要はありません。まず自身のブログサイトでは、一つの記事内で文章の基準を統一することがおすすめです。漢字に変換する場合、しない場合が混在するとやはり読みにくい印象を与えるので、読者の立場となって書くということを心がけることがライティングのスキルが上がる第一歩になります。

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